ここ数年急速に普及が進んでいる仮想通貨。何事もまずは試してみなければ、ということで、過去2ヶ月に渡って実際に売買をしてみました。
使ったのはCoincheckというアプリで、国内の取引所では数少ないクレジットカードでの購入が可能な取引所です。その代わり、手数料がちょっと高いようです。まあ、当然ですよね。運営費がかかりますから。
Coincheckは、有名なビットコインの他、イーサリアム、イーサリアムクラシック、DOA、Liskといった5種類の仮想通貨を売買することができます。
で、以下が2ヶ月後の結果です。現在保有しているのがビットコイン、イーサリアムクラシック、リスクの3通貨です。イーサリアムとDOAも保有していましたが、利益が出たときに売ってしまいました。2万円投資しているので、微減、といった結果になります。
数ヶ月の売買を通して学んだことは、仮想通貨への投資は投資ではなく投機であるということです。なぜそう感じるに至ったのか、理由を挙げてみたいと思います。
理由その1:値動きの変数の分析が難しい
僕は株式投資も数年前からやっています。株式投資の場合は、株価に影響を与える要因がある程度分かっていて、それらの分析が可能です。例えば、マクロでは為替、政府や日銀の動向、他国の経済状況、ミクロではその企業の業績や経営指標、今後の戦略、経営者の人物評、株主に対する姿勢などで、投資家はこれらの株価に影響を与える情報(変数)を日々学び、分析することで投資先企業を決めることができます。
ところが、仮想通貨は価格が日々上下していますが、何が上下の変数になっているのか、極めて分かりにくいと僕は感じています。最近唯一分かったのが、取引所のアラートを通して、イーサリアムクラシックがリリースされたことにより、イーサリアムの金額が下落したということくらいです。
理由その2:当たり前だが配当金がない
仮想通貨に限らず、いわゆる通貨の売買には、株式と違って配当金という仕組みがありません。そのため、利益を確定するためには通貨をどこかで売り抜ける必要があります。経営コンサルタントの大前研一さんは、過去の著書で為替売買はチキンレースと表現されていましたが、目先の通貨の上下に一喜一憂しながら売り抜けるタイミングを考え続ける必要があります。
理由その3:次々に現れる新通貨
仮想通貨は、最も人気があるビットコインの他、Coincheckでも売買可能なイーサリアム、イーサリアムクラシック、DOA、Lisk、さらにライトコイン、ドージコインなど、次々に新しい通貨がリリースされ、運用されています。今後どれだけ通貨が増えるのか、まったく分かりませんし、素人にはそれらの違いが極めて分かりにくい。
通常の市場では、そもそも新しい通貨が突如出現するなんてことは滅多にありませんし、株式市場においては厳しい審査基準をクリアしない限り上場はできない仕組みになっています。監視する第三機関もあります。
一方仮想通貨の場合は、ある理論やルールのもと、頭のいい技術者たちが新しい通貨を作り出すことができる自然発生的なものです。しかし、素人には新しい通貨が優秀なのかどうか、判断がつきません。より優秀かもしれない通貨が出現する度に、自分の保有通貨が下落するのでは、と怯える投資家がいてもおかしくありません。
投資と投機の違いは?
投資と投機の違いを調べてみると、ネットで以下の定義をそれぞれ見つけました。
投資とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す。
投機とは、不確実だが当たれば利益の大きい事をねらってする行為。市価の短期間の変動の差益だけをねらって行う売買取引。
これらの定義を読んだだけでも、仮想通貨への投資はまさに投機そのものだと分かります。
で、これからどうするのか?
いろいろと雑記を書いてきましたが、今後も仮想通貨は売買を続けようと思っています。それは、仮想通貨の今後を傍観者としてではなく、プレーヤーとして今後も見届けたいと考えているからです。しかし、ゆめゆめ仮想通貨で財を成そうなどと考えないようにしようと思う今日この頃です。
仮想通貨の理解には、その基礎技術であるブロックチェーンの理解が不可欠です。興味のある方はこの書籍がオススメです。この本を読むと、社会構造を覆す破壊的技術と呼ばれるブロックチェーン技術が、仮想通貨だけでなくもっと広がりのある技術なのだと理解することができます。