2016年に入って、かねてから構想していたKindle書籍の出版に挑戦してみた。結論からいうと、何点か注意点があるが、大きなハードルもなく1ヶ月ほどで無事出版まで漕ぎ着けることができた。以下、出版までのプロセスと注意点をまとめてみた。


ステップ1:原稿を用意する

当たり前ですが、原稿がないと話になりません。僕は、原稿をGoogle Docに入れて空き時間を利用してスマホやパソコンから書き続けていました。
Google docs


ステップ2:原稿をマークダウンする

Kindleは電子書籍のため、ePubファイルというファイル形式にする必要があります。このePubファイルはHTMLのような特徴を持っていて、見出しや引用などを追加することができます。今回は、でんでんコンバーターのサービスを利用させていもらいましたので、でんでんマークダウンのページに記載されているルールに則って、原稿におまじないをかけていきます。感動的なくらい簡単です。
スクリーンショット 2016-02-21 21.59.03


ステップ3:原稿ができたらePubファイルに変換する

Google Docに入れていた原稿をテキスト形式で書き出し、これをでんでんコンバーターを使って変換します。
でんでんコンバーター

すると、あら不思議、数秒でePubファイルができてしまいます。
epubファイル


ステップ4:ePubファイルをKindle専用レビュアーでチェックする

完成したファイルをKindle Previewerというツールでレビューします。僕は、Macのバージョン上Kindle Previewer v3.0 (ベータ)をダウンロードしました。ダウンロードしてアプリを開くと、Kindle風のインターフェースが立ち上がり、このソフトでePubを開くとプレビューすることができます。このツールを使って、ひらすらバグ出しを行います。3回くらい繰り返しましたが、毎回誤字脱字、マークダウンの間違いをたくさん見つけました。(もしかするとまだあるかもしれませんが。汗)
スクリーンショット 2016-02-21 21.49.47


ステップ5:表紙のデータを作成する

Kindleで本を出版する際、表紙データは画像ファイルで作成する必要があります。PhotoshopとかIllustratorとかを使える場合は、自分で作成してもよいと思いますが、僕は完全に素人なので、迷わずプロに依頼をしました。といっても、お金もないので、使ったのはクラウドソーシングのランサーズです。僕は表紙データを5000円で作ってもらいました。作成にあたっては、業者を選定する必要がありますが、初めて利用する方はコンペ方式で不特定多数のデザイナーに候補を送ってもらっても良いでしょう。ただ、この場合5000円ではあまりコンペが集まらないかもしれませんが。僕は懇意にしているデザイナーがいるので、毎回その人にお願いしています。仕事が早く、腕も確か。高評価も納得です。
Lancers
具体的な発注方法ですが、表紙に記載したい文字情報と、色やデザインの好みを伝えたあと、細かい要件についてはKDPの該当ページのリンクをデザイナーに伝えれば分かってもらえると思います。


ステップ6:Kindleダイレクトパブリッシングに登録する

ここまで来たら、次はいよいよ出版の手続きです。Kindleダイレクトパブリッシングのページに行って、必要情報を記入していきます。税金の情報とかがとっつきにくいのですが、10分もかかりません。その後、本のタイトルや詳細情報などを入力し、表紙データとePubファイルをアップロードします。
KDP

注意したいのは、価格設定です。Kindleの販売によって販売者が受け取るインセンティブは30%と70%のいずれかを選択できます。もちろん販売者としては70%の方が良いに決まっていますが、70%にするためには、
1)価格を9.99ドル以下にする
2)KDPセレクトに登録する
の2つの条件を満たす必要があります。

価格を9.99ドル(約1100円)にした場合のインセンティブは約7ドルということになりますので、ざっくり考えて、本の値段が倍以上になっても、まだ9.99ドルで売った方が販売者の手取りが多いということになります。

KDPセレクトは、Kindle ダイレクト・パブリッシングの出版者のオプションです。 KDPセレクトに登録すると、申請者の電子書籍はKindle専用となり、Kindleユーザー限定レンタルサービスに掲載され、レンタル実績に応じて毎月基金から配分を得ることができるようです。また、価格キャンペーンも実施も可能になります。このKDPセレクトも、70%のインセンティブの条件になっています。


ステップ7:審査に通れば販売開始

すべて入力し送信すると、アマゾン側の審査になります。審査は最大48時間かかるとありましたが、僕の場合は半日くらいで以下のメールがとどきました。これですべて完了です。

お客様の本が Kindle ストアで販売開始されました。
読者はこちらの商品ページから購入できます*。再出版の場合は、変更が適切に反映されました。

Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) をご利用いただきありがとうございます。
お客様の本の販売が開始されたこの機会に、より多くの読者の獲得と売上増加につながるオプションプログラム「KDP セレクト」についてお知らせいたします。

本をKDP セレクトに登録するのは簡単です。90 日間の登録期間中、お客様の本は Kindle で独占的に販売されます。それと同時に、いくつかの優待特典が得られます。登録されている本が Kindle Unlimited で選択されて既読にされるか、KOL で貸し出されると、グローバル基金からの分配金が得られます。さらに、本のキャンペーン ツールも使用できます。たとえば、Kindle Countdown Deals を使用すると、Amazon.com または Amazon.co.uk でお客様の本に期間限定の割引キャンペーンを設定し、読者にお客様の本を見つけてもらいやすくすることができます。また、本の無料キャンペーンを使って、世界中の読者が期間限定でお客様の本を無料で入手できます。

KDP の「本棚」で、登録する本の「KDP セレクト」にある「登録」をクリックしてください。

KDP のご利用を心よりお待ちしております。

Kindle ダイレクト・パブリッシング チーム


ところで、これからKindle出版をされる方、もちろんfireタブレットは持っていますよね?実際に電子書籍を購入するユーザー体験しておくのは大きな助けになるはずです。私も1台購入しましたが、オーナーライブラリの仕組みや、他の人の電子書籍の購読など、多方面においてかなり参考になりました。

Kindleファイア3

まだの方は以下のボタンからどうぞ。

firetabletbutton