それは旅行先で突然やって来た

夏休み、家族で出かけた草津温泉。

夕食を食べて温泉に入り、部屋に戻ってゆっくりしていた。

すると、お腹の調子がおかしい。お腹を壊したのかと思い、トイレにいくも、何も出ない。

下痢でも、便秘でもない。何度かトイレに行った後、眠くなったのでそのまま就寝。夜の11時頃だ。

すると、それは突然やって来た。

ヘソの横、あたりに突き刺すような激痛!!!!

あまりに痛くて眠気は吹っ飛んだ。

しばらく布団の中にいたが、激痛が収まる気配がなく、焦り始める。

20-30分ほど激痛に耐え、ついに命の危険を感じ、寝ている妻を起こすことに。

僕 「起こしてごめん、お、お腹が、い、痛い、痛い、痛い」

寝起きで寝ぼけていた妻だが、尋常でない痛みに苦しむ僕をみて、焦る妻。

結局、宿泊ホテルから8キロくらいに夜間救急で対応してくれる病院を見つけ、受診することに。

長男を起こし、病院に行く旨を伝えて、妻の運転で20分ほど走り病院に到着。

若い先生が診察をしてくれた。レントゲンを撮り、お腹の中を診る先生。

「うーん、原因はよく分かりませんね。小腸がちょっとむくんでいますが・・」

そうこうしているうちに、だんだん痛みが収まってきた。

「お腹の病気は4分の1は原因が不明で、そのまま治るんですよ。痛み止めだけ念のため出しておきますね」

結局、痛みが収まったので、そのままホテルに戻り、その日は観光をゆるく楽しんで、夕方に自宅に戻ることができた。

翌日早朝、激痛で再び目を覚ます

朝4時。堪え難い激痛で、再び目を覚ました。

妻をまた起こし、近所の総合病院に駆け込んだ。

再び、若い先生。研修医だろうか。

先生「昨日も痛んだ、ということで、昨日の痛みの最大が10だとすると、今の痛みはどのくらいですか?」

僕「14くらいです!!!!!」

再びレントゲンを撮り、画像と睨めっこをするも、全く原因を特定できない。

「原因がよく分かりません。もしよろしければ、さらに詳しいCTスキャンができるのですが、やりますか?」

この痛みから自由になれるのであれば、もう何でもする。

ドラマで見たことがあるトンネル型のCTを受けることに。

点滴で薬剤を投入し、スキャン。

このCTスキャンがレントゲンと異なるのは、人体の輪切りのレントゲンが取れること。

しかし・・・

ベットに戻され、相変わらずの激痛に「痛い、痛い、痛い」と叫び続ける僕を横目に、輪切り画像データの睨めっこを続ける先生。

「やっぱり原因が分かりません」

またか!!

その後、先生は症例ブックのようなものをペラペラをめくっているのが見えたものの、しばらくすると別の患者が来たのか、僕は完全に放置され、一人狭いベッドの上で七転八倒する時間が続く。

体をどの向きに変えても痛い。

永遠とも感じられる時間が小一時間ほど過ぎ、6時を回った頃、僕を担当してくれていた若い研修医が、外来の30代くらいの別の先生を連れて来た。数人の看護師も一緒だ。

「おはようございまーす。内科の●●と申します」

相変わらずベットの上でのたうち回る僕をみて、その後若い先生から輪切りのCTスキャンの画像をパラパラを見せられ、即答。

尿管結石ですね」

えっと驚く若い先生。

内科の先生は、仕方ないなあ、といった雰囲気で、短く「ほら、ここがこうで、これこれ」と若い先生に説明する。

「尿管結石はあんまりできることないんで、とりあえず痛み止めを打っておきましょうね。座薬が効きやすいんですけれど、いいですか」

力なく頷く僕。すぐにお尻をペロンと出されて、ミサイルを打ち込まれた。

「少ししたら効いてくると思います。尿管結石は石を出さないといけないので、水をよく飲んでくださいね。で、念のため泌尿器科に受診してください。痛み止めは二日分出しておきます」

こうして救急外来は終わった。

内科の先生の言う通り、30分もしないうちに痛みは随分落ち着いてきて、その日は穏やかに過ごすことができた。

翌日、泌尿器科にかかる

翌日、朝一の外来で泌尿器科に足を運んだ。幸いなことに、痛みはその後出ていない。

泌尿器科の先生は50代くらいのベテランぽいお医者さんだった。

「尿管結石ですね。CTスキャンでもはっきり出てます」

そう言って、泌尿器科の先生は以下の画像を見せてくれた。先生から許可を貰って僕も撮影。

「ここが尿管で、その通りに白いものが見えますよね。これです。大きさは1-2ミリといったところです。まだ小さい方ですよ」

「粉砕とか、できないんですか?」

「この大きさだと自然に流れてくるのを待つしかありませんね」

「原因は何なのでしょうか?」

「夏場は水分が足りなくなるので、羅漢する男性が多くなりますね。水、ちゃんと飲んでますか?」

そう言われると、自信がない。

「麦茶でいいので、1日2、3リットルは飲んでください。暫くすると膀胱に落ちてくると思います」

「膀胱に落ちたらどうなるんですか?」

「膀胱に落ちたら、比較的早く尿に混じって出てくるはずです」

ただ、先生の話だと出てくるまでの期間は個人差がかなりあるため、いつぐらいに出てくるかは分からないとのこと。

泌尿器科では、1ヶ月後の検診の予約と、痛み止め1をさらに1週間分もらい、検診終了。

まとめ

その後、僕の病状を聞いた色々な人が話しかけてくれたが、一度羅漢した後に再発を繰り返す人がいる、と言う恐ろしい話を聞いた。再発だけは絶対に、絶対に避けたい。

ただ、尿路結石症は、食事など生活習慣の改善でかなりリスクを抑えることがでるそうです。
以下の本では、尿路結石症の、症状、原因、治療法を、オールカラーの豊富な図解を用いて解説し、また排石の方法、再発予防のための生活習慣などをわかりやすく紹介してくれています。興味のある方は是非。

スーパー図解 尿路結石症 (トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ)