ついにこの日が来てしましました。三越伊勢丹ホールディングスは2017年9月28日、伊勢丹松戸店を2018年3月21日に閉鎖すると発表しました。



伊勢丹ってどこにあるんだっけ?

伊勢丹ですが、松戸駅西口から歩いて7、8分のところにあります。そう、微妙に不便なのです。

伊勢丹松戸店の歴史

伊勢丹松戸店は1974年4月に開業しています。今からなんと43年前。もともと市立小学校があったようですが、松戸市の主導で再開発が行われ、地上11階、地下1階建てで、売場面積は31,268㎡という建物に伊勢丹松戸店がオープンしました。

高度成長期の90年代のピーク時1996年には332億円を超える売り上げを記録。しかし、近年は200億円を下回り、2016年の売り上げは181億円。赤字が続いていたとのことです。

確かに、僕も伊勢丹は年に数回足を運んでいますが、いつ行っても閑散としていました。若者向けのお店も何もなく、伊勢丹を目的に足を運んだことはただの一度もありません。苦笑

伊勢丹の業績不審の原因は衣料品事業

そもそも、伊勢丹に限らず、百貨店は業界そのものが沈没しつつあります。日本百貨店協会がまとめた2016年の全国百貨店売上高は約6兆円ですが、ピークの91年と比べて4割も減ってしまっています。最大の主犯は主力の衣料品の苦戦です。そう、百貨店で衣料品が全く売れなくなっているのです。

それでも、伊勢丹は「ファッションの伊勢丹」の顔とも言える伊勢丹新宿本店があり、ここが地方の赤字店舗をカバーしていました。しかし、中国人の爆買いブームが終焉すると、大黒柱である本店売り上げも急減。2017年3月には千葉三越と多摩センター三越を閉店。さらに松山三越と広島三越、伊勢丹府中店、そして今回の伊勢丹松戸店も事業を縮小する必要に迫られていました。

以下は、三越伊勢丹のIRからの抜粋で、3年計画の振り返りについてのサマリーです。仕入れ構造改革、カード事業以外は全て目標値を大きく下回っています。汗

ピンチになった伊勢丹はビルの一部を松戸市に貸す提案を提案

伊勢丹側は赤字幅を減少させるため、4階の約6割に当たる約1600平方メートルを松戸市に貸し付ける案を考え、松戸市はその提案を受理。議会に提出することになりました。

松戸市としては、老朽化した「まつど市民活動サポートセンター」を移設し、さらに旅券事務所などを開設する計画だったようです。このテナント料というのが何と21億円!

参考までに松戸市全体の予算は1457億円なので、全体の予算比からすると1.4%くらいになります。

しかし市議会は猛反発で否決

しかし、議会は「不透明な公金の高額支出だ」と反発。まあ、真っ当な反応でしょう。

結局、市議会は2017年9月25日、補正予算案から三越の支援策を削除して可決しました。これで松戸市から21億円を受け取る算段が消滅します。

その3日後に伊勢丹松戸店の閉店を発表

三越伊勢丹ホールディングスは2017年9月28日、伊勢丹松戸店を2018年3月21日に閉鎖すると発表。43年の歴史に幕が降りることになりました。

期になる今後はどうなるのか?勝手に予想してみました

閉店後は一体どうなるのでしょうか。

IRの資料には国内百貨店の戦略の方針が書かれています。国内は収益性の高いビジネスモデルに転換する、というものです。

伊勢丹松戸店については、閉店後建物は投資ファンドなどが所有することになるとのことです。投資ファンドは当然利益を出すため、テナントを積極的に誘致することになりますが、その際には競争力のあるテナントが誘致されるのではないかと思います。