結論から言いましょう。この本は大変な良書です。親が、安心して子供に購入して読ませることができます。

もともと、この本の存在を知ったのは、聴覚障がい者の知人に招かれて参加したソーシャルメディアのグループです。そこで、別のメンバーの方が、ろう者をテーマにした漫画がある、ということで紹介されていました。

モノは試しに、ということで、最初に1巻だけ購入して読んでみたところ、大変な良書であるとすぐにわかり、そのまま全巻を揃えました。全巻セットはアマゾンで購入できます。

メインテーマは「人と人がわかり合うこと」

この話のテーマは、私の理解では「人と人がわかり合うこと」なのだと思います。この本を通して、僕は自分の子供たちがもう一歩、周りの人への理解を示せる優しい人間になって欲しいと期待しています。世の中には、自分の狭い価値基準だけでは決して測れない人たちが数多くいます。でも、お互いに歩み寄る努力をすることで、完全とは言えないまでも、お互いのことをもう一歩理解しあうことができます。

「いじめ」というテーマにも鋭く切り込んでいる

また、この本は「いじめ」というテーマにも鋭く切り込んでいると思います。特に、1巻で主人公がヒロインの女の子をいじめる話は、なぜいじめが悪いことなのか、いろいろな人物の視点で読者に問いかけてくれます。1巻の後半にいじめていた主人公が、逆にいじめの対象に変わってしまうところは、いじめをする側への警告でしょう。

僕自身も小学校から高校までの間、いろいろな人間関係を経験してきて、学校という空間が時として残酷な場所になり得るということも理解しています。その上で、自分の子供たちが誰かをいじめる側になる誘惑に駆られた時に、この本の内容を思い出してくれたらと思っています。

2016年にアニメ映画化

この作品は2016年に映画化もされています。興行収入23億円ということなので、そこそこヒットしたようですが、タイミングの悪いことに「君の名は」と同年リリースとなったため、かなりの話題がそちらに引っ張られたのではないかと思います。

映画『聲の形』
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