ハチドリのひとしずく

「ハチドリのひとしずく」という南アメリカ先住民の物語をご存知でしょうか?書籍として日本でも売っている、とても短いお話しです。しかし、そこには、とても考えさせれる人生の教訓が込められています。

こんなお話しです。

森が燃えていました

森の生き物たちは われさきにと 逃げて いきました

でもクリキンディという名のハチドリだけは 行ったり来たり

口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは

火の上に落としていきます

動物たちはそれを見て

「そんなことをして いったい何になるんだ」と笑います

クリキンディはこう答えました

「私は、私にできることをしているだけ」

ハチドリとは

この話が非常に教訓に満ちているのは、このハチドリがとても小さな鳥だからです。

このハチドリは、合衆国南西部からアルゼンチン北部にかけてのアメリカに生息していて、世界の鳥類の中で最も体が小さい鳥の一つです。その体重は2〜20g程度しかありません。

このハチドリがクチバシで運ぶ一滴がどれだけ小さな雫なのかは、想像に難しくないと思います。

ハチドリ

ハチドリの話の続き

ハチドリの話の続きは、それを読んだ読者がそれぞれ考えることだと思います。

しかし、今日とある講演会で、この話の続編の一つを聞くことができました。それはこんな話です。

クリキンディの言葉を聞いた動物たちのうち、一匹のイヌが飛び出してきて、後ろ足で砂を火に向かってかけはじめました。

それを見た他のイヌ達が大勢出てきて、同じように砂を掛け始めました。

イヌ達が砂をかけ始めたのを見た一匹のサイが飛び出してきて、その固くて厚い皮を、燃えている木に向かってこすり始めました。

それを見た、他のサイ達も大勢出てきて、同じように、燃えている木に向かってその皮をこすり始めました。

サイ達がその皮を木にこすり始めたのを見た一匹の象が飛び出してきて、その長い鼻と大きな力で、燃えている木をなぎ倒し始めました。

それを見た、他の象達も大勢出てきて、同じように、その長い鼻と大きな力で、燃えている木をなぎ倒し始めました。

そして、その他大勢の動物達も自分にできることを、できる限りやり、その結果、森の火事は無事消し止められたそうです。

如何でしょうか?

ちいさなひとしずくが、大きなうねりになり、変化を起こす。これが本当に起きるかどうかは、自分たちの小さな行動に託されていると感じます。